治療と就労の両立支援の最前線:オリィ研究所の取り組み

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難病を抱えながら働くことは容易ではありません。治療や通院、体調の波など、様々な困難が立ちはだかります。社会からの理解も十分とは言えず、就職活動の壁は高く、働きたくても働けない現実に苦しんでいる方が多くいらっしゃいます。

そんな状況を打破し、難病の方々に働く喜びと社会参加の機会を提供しているのが、オリィ研究所です。彼らは分身ロボット「OriHime」や人材紹介サービス「フレミー」を通じて、治療と仕事の両立を支援する革新的な取り組みを行っています。

この記事では、オリィ研究所の活動内容や具体的な事例を紹介し、難病を抱える方々がどのように社会で活躍できるのか、その可能性を探っていきます。読み進めることで、難病の方にとっての就労支援情報はもちろん、企業の担当者の方にも新たな視点と可能性を提供できると考えています。

目次

オリィ研究所とは?

オリィ研究所は、「孤独の解消」をビジョンに掲げ、ロボットとAIを活用したコミュニケーションテクノロジーを開発する企業です。代表取締役CEOの吉藤オリィ氏は、自身の幼少期の体験から、病気や障害によって社会から孤立してしまう人々の孤独を解消したいという強い思いを抱き、オリィ研究所を設立しました。

彼らの代表的なプロダクトである分身ロボット「OriHime」は、遠隔操作で自由に動かすことができ、まるで自分がその場にいるかのような臨場感あふれるコミュニケーションを可能にします。カメラ、マイク、スピーカーを搭載し、PCやスマートフォンから操作することで、会話やジェスチャーによる意思疎通を実現します。

「OriHime」は、単なるコミュニケーションツールにとどまらず、難病の方の社会参加や就労を支援する強力なツールとして活用されています。自宅や病院にいながら、まるでオフィスにいるかのように仕事に参加できるため、移動の困難さを克服し、能力を発揮できる場を提供しています。

分身ロボットカフェ DAWN ver.β

オリィ研究所が運営する分身ロボットカフェ DAWN ver.βは、「OriHime」を操作して働くパイロットと呼ばれるスタッフが接客を行うユニークなカフェです。ALSなどの難病や重度障害により外出困難な人々が、パイロットとして自宅から「OriHime」を遠隔操作し、注文を受けたり、ドリンクを運んだり、お客様とコミュニケーションを取ったりしています。

動画でも紹介されているように、パイロットたちは日本各地から参加しており、それぞれの個性と経験を生かしてカフェを盛り上げています。「いらっしゃいませ!本日はどちらからですか?」と「OriHime」を通して笑顔で話しかけるパイロットの姿は、訪れる人々に感動と希望を与えています。

カフェで働くパイロットたちは、社会参加の喜びを感じるとともに、収入を得て経済的に自立する機会を得ています。また、接客スキルやコミュニケーション能力の向上といったスキルアップにも繋がっており、更なる成長の糧となっています。

企業との連携と事例

オリィ研究所は、様々な企業と連携し、難病の方の就労支援の幅を広げています。NTTでは受付業務、モスバーガーではレジ対応やメニュー紹介など、企業のニーズに合わせて「OriHime」を活用した業務を導入しています。

企業にとって、難病の方の雇用は、多様な人材の確保、社会貢献、企業イメージの向上といったメリットをもたらします。また、パイロットたちは高いモチベーションと責任感を持って仕事に取り組むため、企業にとっても貴重な戦力となっています。

文字起こしデータにもあるように、オリィ研究所が紹介した事例の中には、大手アプリ系企業のバックオフィスで働く方、EC事業のスタートアップ企業で社長アシスタントを務める方、そしてオリィ研究所内でも採用アシスタントとして活躍する方など、様々な分野で活躍する人々がいます。

特に注目すべきは、山本より子さんの事例です。難病を発症後、一度は社会から離れることを余儀なくされましたが、「OriHime」との出会いを通じて社会復帰を果たし、現在は企業でアクセシビリティのテスターとして活躍しています。彼女の経験は、難病を抱える多くの人々に希望を与えています。

フレミー:人材紹介サービス

オリィ研究所は、分身ロボット「OriHime」の活用だけでなく、人材紹介サービス「フレミー」を通じて、難病の方の就労支援を包括的に行っています。フレミーは、企業と求職者のマッチングだけでなく、治療と仕事の両立に必要なサポートを提供しています。

フレミーを通じて就職した方の中には、フルタイムで働く方、時短勤務を選択する方など、それぞれの状況に合わせた働き方を実現しています。また、フルリモートで働く方も多く、地理的な制約を超えて活躍の場を広げています。

フレミーは、企業に対して、難病の方の雇用に関する理解を深めるための研修や、就労後のフォローアップ体制の構築などを支援しています。通院や休憩、体調管理など、治療と仕事の両立に必要な配慮についても丁寧に相談に乗り、スムーズな就労をサポートしています。

文字起こしデータにあるように、オリィ研究所は、フルリモートワークの推進に力を入れています。これは、地方在住の難病の方にも平等な就労機会を提供するための重要な取り組みです。

まとめ

オリィ研究所の取り組みは、難病を抱える方々が社会で活躍するための新たな道を切り開いています。分身ロボット「OriHime」や人材紹介サービス「フレミー」は、治療と仕事の両立を可能にし、多くの人の人生にポジティブな変化をもたらしています。

オリィ研究所の活動は、テクノロジーの力で社会課題を解決する素晴らしい事例と言えるでしょう。彼らの挑戦は、インクルーシブな社会の実現に向けて、大きな希望を与えてくれます。今後も、オリィ研究所の活動に注目し、応援していきたいと考えています

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